2020年6月4日木曜日

◆現代の“匿名性”に気をつけよう!

2020/06/01付 万代栄嗣牧師「ぐっどにゅーす」より

私は、携帯電話を持つのも周囲の人に比べて遅かったですし、自分でSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)をし始めるのも、随分、あとになってのことでした。“ガラ携”からiPhoneに変えたのがわずか4年前。そして、Facebookを始めてからまだ3年半です。それが今では、きちんとデスクに座ってパソコンを開いて仕事するよりも、手元のスマホの画面を見てメールの処理をしたり、交通や宿の手配をしていることの方がすっかり増えてしまいました。


SNSを始めようとした時、何をメインにするかを、結構、悩みました。当然、私が選んだFacebookのみならず、TwitterもLINEも、Instagramもありで、取っつきやすさや影響力の違いやユーザー層の違いも頭に入れて選ばなければなりませんでした。その結果、オジサンやオバサンがユーザーに多いですよ、とか、文章を多めに書かなければいけないパターンになりますよ…とマイナス面もかなり言われたのですが、結局、今もやり続けているFacebookを選びました。鍵は、参加者たちが一応“実名”で登録していることが基本、ということでした。


インパクトのある写真があれば若者たちがすぐに食いついてくるInstagramも、ちょっとした“つぶやき”が全世界に広まり得るTwitterも面白そうだったのですが、それぞれの“匿名性”がちょっと気にかかりました。考えれば考えるほど、“匿名”でのやり取りは恐いなぁ…と直感的に思われたからです。


そんなSNSの世界が、今、大荒れです。有名人、著名人のTwitterなら何かにつけ“炎上”することも当然、有名税みたいなもの…そんな空気になりかけていたのですが、テレビで人気のリアリティー番組に出演した女子プロレスラーがバッシングのメールを多数送りつけられ、とうとう自殺してしまいました。政治の世界でも、安倍首相自身がさほど肩入れした事案でもない、検察庁人事に関する手続きがやり玉に挙げられ、検察権力まで牛耳ろうとしている凶悪な独裁者に仕立て上げられ、猛反発の嵐に…。500万、1,000万もの抗議リツイートに対して、Twitter社自体が調査の上、そのほとんどが少数の人々によって仕掛けられたフェイクであることを確認しつつも、大手マスコミも便乗する形で大“炎上”状態を作り出し、大きな政権批判へと発展しています。


原因やそれぞれの事態に絡んだ要因はいろいろと指摘できます。しかし、私が恐ろしいと感じる問題の根源に“匿名性”があります。人は、自分が誰であるかを隠して、発言したり、何かを仕掛けることができると分かると、潜んでいた罪の性質が如実に出てしまうのです。言葉が荒くなり、傷つけるようなことを平気で口にしたり、普段は穏やかな人が破壊的、暴力的になってしまうのです。知らぬ間に、悪魔に心を操られることになってしまうのです。特に、インターネット上では、信じられないほど凶暴で、破壊的な言動を発することにもなるのです。


人は、神様としっかりと向き合うことによって、本来の自分らしい、正しい生き方をすることができるのです。神様から隠れて、“匿名”の誰かになりすまして、物事を適当にやり過ごそうとする思いは、悪魔に隙を与えてしまい、決して幸せを生み出すことにはなりません。いつも神様の前に、偽らざる“あなた”がいることが大切なのです。


“私はいつも、私の前に主を置いた。
主が私の右におられるので、
私はゆるぐことがない。”
(旧約聖書:詩篇 16篇8節)